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韓国の公正取引委員会(以下、「公正委」)は、2014年12月23日[知的財産権の不当な行使に対する審査指針]を改正し、12月24日から施行すると発表した。
今回の改正では、知財権行使に関する一般的な審査原則と乱用行為の類型体系を改編し、特許管理専門会社(Non-Practicing Entity、以下、「NPE」)と標準必須特許権者の特許権乱用行為などを新設した。
主な改正内容は下記の通りである。
1.知財権行使の一般的な審査原則に関連した内容を補完・追加
①公正取引法の適用が排除される知財権の正当な行使に対する判断基準を提示
外形上、知財権の正当な行使であるものと見えても、その実質が知的財産制度の本質的な目的に反する場合は正当な行使であるものと見なせず、正当な行使であるか否かは、特許法などの関連法令と当該知財権の内容、当該行為が関連市場に及ぼす影響を総合的に考慮して決定すると規定した。2014年大法院の判決(2014.2.27.言渡2012ドゥ24498判決)を反映したものと考えられる。
②現行、不公正取引行為中心の審査指針を市場支配的な地位乱用行為中心に転換
事業者が単独で知財権を行使する場合には、その事業者が市場支配力を保有した場合に限って審査指針が適用されることを規定した。知財権の行使が不公正取引行為に該当するか否かは、「不公正取引行為審査指針」を適用して判断する。
③知財権と市場支配力との関係および知財権行使の親競争的な効果を明示
知財権の保有者であるとしても、市場支配力が直ちに推定されるものではないという点と、市場支配力の有無は、該当技術の影響力、代替技術の存否、関連市場の競争状況などを総合的に考慮して決定すると規定した。知財権の行使は、製造コストの節減、新商品の開発、技術革新誘引の向上、研究開発投資の増大などの親競争的な効果があることを明示した。
④知財権行使の関連市場に革新市場を追加
知財権行使が新しいかまたは改良された商品や工程を開発する競争に影響を及ぼす場合、商品市場および技術市場とは別に革新市場が考えられることを明示した。革新市場とは、全く新しい商品または工程を開発するか、既存の商品または工程を改良するための研究開発(R&D)活動に関連する市場を意味する。
2.知財権行使の乱用行為の類型体系の調整・ 補完
①法違反行為の類型を提示
特許権者がライセンス契約を締結するにあたって、実施権者が実施許諾に関連した技術を改良する場合、その改良された技術を自分に譲渡または実施許諾するようにすることを意味するグラントバック(Grantback)の場合には、グラントバックが排他的または非排他的であるのか、グラントバックの存続期間、グラントバックに対する実施料が無料であるか否かなどを考慮して法違反の有無を判断する。
訴訟を通じた特許権行使に関連しては、欺瞞的に取得した特許に基づいて特許侵害訴訟を提起するか、他の事業者の事業活動を邪魔する悪意ある意図から特許侵害訴訟を提起する場合、乱用行為として判断される可能性が大きいと明示した。
②包括的実施許諾(Package Licensing)をすると共に、不要な特許を共に購入するように強制することは、抱き合わせに該当し得ることを明示。
すなわち、特許を実施許諾すると共に、関係のない多数の特許を共に実施許諾することが法違反になり得ることを意味する。
3.特許管理専門会社に関連した規定の新設
特許管理専門事業者をNPEと称し、「特許技術を用いて商品の製造・販売やサービスの供給はせず、特許を実施する者などに特許権の行使を通じて収益を創り出すことを事業活動とする事業者」と定義し、NPEの乱用行為を5つの類型に具体化して例示した。
①過度な実施料の賦課
特許の客観的な技術的価値、特許権者が他の実施権者から受ける実施料、類似の特許に対して実施権者が支払う実施料、実施許諾契約の性質と範囲、実施許諾の期間、該当特許を用いて生産した製品の収益性などを考慮して実施料の水準が合理的であるか否かを判断する。
②FRAND条件適用の否認
第三者から取得した特許権について不合理な水準の実施料を賦課し、従前の特許権者に適用されたFRAND条件の適用を否認する行為。
③不当な合意
コンソーシアムを通じて特許管理専門事業者を設立した複数の事業者と共に、コンソーシアムに参加しなかった事業者に特許の実施許諾を不当に拒絶するか差別的な条件で実施契約を締結することに合意する行為。
④不当な特許訴訟の提起および訴訟提起の威嚇
相手方が特許管理専門事業者の特許権の行使に対応するのに必要な重要な情報を隠蔽または抜けるか、誤認を誘発するなどの欺瞞的な方法を使用して特許訴訟を提起するか特許侵害警告状を発送するなどの行為。
⑤ 特許プライバティアリングの行為
特許権者が特許管理専門事業者に特許権を移転し、特許管理専門事業者に他の事業者に対して①、②などの行為をさせる行為。
4.標準必須特許に関連した規定の新設
①定義規定の新設
標準必須特許(Standard-Essential Patent、SEP)を「標準技術を実現するための特許であって、標準技術を必要とする商品を生産するかサービスを供給するためには、実施許諾を必須的に受けなければならない特許」と定義規定を新設した。
②標準必須特許権者の侵害禁止請求に関連した内容の規定
FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory)の条件で実施許諾することを確約した標準必須特許権者が実施許諾を受ける意思のある潜在的実施権者(willing licensee)に対して侵害禁止請求を提起することは、特許権の乱用行為になり得ることを規定した。特に、標準必須特許権者が潜在的実施権者と実施許諾のために誠実に交渉せず侵害禁止請求を提起する行為は、不当な行為であるものと判断される可能性が大きいという点を明示した。
標準必須特許権者が誠実に交渉したのか否かは、公式的な交渉提案の有無、交渉期間が適切であるのか否か、提示した実施許諾の条件が合理的・非差別的であるのか否か、交渉難航時の仲裁摸索の有無などを総合的に考慮して判断する。
潜在的実施権者が法院や仲裁機関の決定に従うことを断る場合のように、実施許諾を受ける意思がないと認められるか、潜在的実施権者が破産などで損害賠償を期待し難い場合などは、侵害禁止請求が不当な行為として判断される可能性が低い場合であるものと例示した。
③新しい類型の標準必須特許権者の乱用行為の追加
FRAND条件での実施許諾を不当に回避・迂回するか、実施権者の特許権の行使を不当に制限する行為などを乱用行為として追加した。
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