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2015年 6月号

 

医薬の投与用法および投与用量が発明の構成要素になれるという大法院の全員合議体判決


1.判決の要旨

2015年5月2日付にて韓国大法院は、全員合議体判決で、医薬の用途とともに投与用法および投与用量を付加する場合、このような投与用法および投与用量は医療行為それ自体ではなく、医薬という物に新たな意味を付与する構成要素になれるとしながら、投与用法および投与用量を発明の構成要素として認め、これに矛盾する従来の判決を変更した(大法院全員合議体2015..2言渡2014フ768判決)

 

2.判例の変更

)従来の判例の態度

従来、大法院は、投与周期と単位投与量は、医薬物質を人間等に投与する方法であって、特許を受けることができない医薬を使用した医療行為であるか、組成物の発明において比較対象発明と対比の対象になる最終の物それ自体に関するものではないため、発明の構成要素として見なせないという立場であった。

 

)判例の変更

しかしながら、新規の大法院判決は、i)投与用法および投与用量は、対象疾病または薬効に関する医薬用途と本質が同じであると言え、ii)同じ医薬であっても投与用法および投与用量の変更によって疾病の治療や予防等において予測できない効果を奏することができ、これを開発するのにも相当な費用等がかかるので、このような投資の結果で完成されて公共の利益に資することができる技術を特許として保護することが特許法の目的に合致し、iii)したがって、このような投与用法および投与用量は、医療行為それ自体ではなく、医薬という物が効能を完全に発揮するようにする属性を表現することにより医薬という物に新たな意味を付与する構成要素になれると見なすべきであると判示した。したがって、iv)このような投与用法および投与用量という新しい構成要素が付加され、新規性および進歩性等の特許要件を備えた医薬に対しては新しく特許権が付与され得るという立場を取ることにより、上記従来の大法院判例のような趣旨の判決を新規の大法院判決の見解に背馳される範囲内でいずれも変更した。

 

3.判決の意義

今回の大法院判決は、投与周期および単位投与量を発明の構成要素として見なせないという従来の判例を変更し、医薬という物の発明において、医薬の用途発明の一種として対象疾病または薬効とともに投与用法および投与用量を付加する場合に、このような投与用法および投与用量は、発明の構成要素に該当するという点を法理的に明らかにした点においてその意義がある。

 

 

 


 

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