韓国で特許権が登録された製品を海外の電子商取引プラットフォームに掲載した行為は、韓国特許の侵害に該当するという特許法院の判決が下された。特許法院は、国外にサーバーを有するオンラインプラットフォームへの掲載行為であっても、韓国の特許法の適用対象となることを認めたのである。
特許法院の特許第21部は、2025年5月22日、イタリアの法人である原告(Lonati S.p.A)が中国の法人である被告(zhejiang yexiao knitting machinery)を相手取って提起した特許権侵害差止請求訴訟(2023ナ10693)において、原告の請求を受け入れ、被告の特許侵害を認めた。
原告は、韓国において靴下編み機の特許登録を完了しており、被告は、中国で類似した機械を生産し、アリババ(Alibaba)及び自社のホームページに掲載して広告・販売してきた。
そこで、原告は、この機械が自社の特許発明の権利範囲に含まれるものであり、被告のこのようなインターネット上での掲載及び販売行為が特許法上の「譲渡の申出」に該当すると主張した。特許法は、特許権の実施の形態の一つとして「譲渡の申出」を規定している。
特許法院は、「たとえ被告が中国の電子商取引プラットフォームであるアリババ(Alibaba)及び中国内にサーバーを有する自社のホームページで広告・販売しているとしても、被告の該当行為は、韓国内の消費者を直接的な対象とした販売誘導行為に該当する」と述べた。そして「これは特許法上の特許権の実施行為の一つである『譲渡の申出』に該当するため、原告の特許権を侵害したものである」と判断し、原告の差止請求を認容した。
特許法院は、被告の行為が実際に韓国の特許権を侵害しているか否かを判断するために、△ウェブサイトにおいて韓国語で商品情報を提供しているのか、△韓国で注文及び配送が可能であるのか、△韓国ウォンでの決済が可能であるのか、△国内消費者のための問い合わせ・相談窓口が設けられているのか、△特許権侵害を回避するための努力があったかなどを審理したと述べた。
今回の判決は、国外のオンラインプラットフォームや国外のサーバーを基盤とするホームページに特許侵害製品を掲載した場合であっても、それが韓国の需要者や消費者を対象とする場合には、韓国特許法において特許侵害と規定される「譲渡の申出」に該当し得ることを明確にした判決であると評価されている。
特許法院の関係者は、「特許法院は、この判決を準備する過程で、特許法院の国際知的財産権法研究センターが行った比較法的研究の結果に基づいて、類似した争点の海外事例を忠実に検討することができた」とし、「今回の判決は、特に世界中でアクセス可能なオンラインプラットフォームを通じた商取引が一般的になっている現実を反映し、オンライン取引環境における知的財産権侵害に効果的に対応できる基準を提示したという点で意義がある」と述べた。