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不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律改正案が2003年12月22日に国会を通過して確定された。改正法律は公布日から6ケ月後の2004年7月中に施行される。改正された主要内容は次の通りである。
(1) サイバースクワッティング (cyber-squatting)防止
改正法では、国内に広く認識された他人の氏名、商号、商標などと同一または類似するドメインネームを不正な目的で第三者が登録、保有、移転または使用する行為を不正競争行為として新たに追加し、サイバースクワッティングをした者に対してはドメインネームの抹消を請求することができるようにした。また、侵害者を相手取って損害賠償及び信用回復措置も法院に請求することができるようにした。
(2) トレードドレス(Trade Dress)の保護
他人が製作した商品の形態(形状、模様、色彩、光沢またはこれらを結合したもの)を模倣した商品を譲渡、貸与、展示、輸入または輸出する行為を新たに不正競争行為と規定してトレードドレスに対する保護を強化している。本規定は特にその保護要件として著名性を要求していないため、トレードドレスの幅広い保護が可能である。但し、著名性を要求しない代りに保護される商品の形態は製作日から3年が経過されないものに限られる。即ち、製作日から3年が経過したトレードドレスは本規定によっては保護されない。国内に広く認識されたトレードドレスはこれまでと同様に期間制限なしに保護される。
(3) 産業スパイに対する処罰強化
最近半導体、携帯電話及びLCD関連技術などが中国などに流出されているにもかかわらず処罰の実効性が少なく、関連法が有名無実であるという指摘があった。政府は産業スパイによる被害が1998年から2003年上半期まで総22兆ウォン(2兆2000億円相当)>に至ると明らかにした事がある。これまでの法律によれば、数兆ウォン代の営業秘密を流出したとしても最高1億ウォン以下の罰金しか賦課できなかった。
改正法律は営業秘密を外国に流出した者に対して7年以下の懲役または不当利得額の2倍以上10倍以下の罰金を賦課するように規定して処罰を大幅に強化した。さらに、営業秘密侵害行為を「企業内部問題」ではない「国家経済的次元」で接近して、告訴がないとしても処罰できるように非親告罪と規定し、未遂犯及び予備陰謀に対する処罰規定も新設した。
事実関係 : 発明者のキム・デホはトラクタ用馬鍬に関する発明をし、1999年3月11日に特許を受けた。前記特許は発明者が代表取締役であるデホ農業機械株式会社に譲渡された。前記特許は独立項である第1項と従属項である第2項ないし第6項を有し、第1項は次の通りである。
請求項1.通常のトラクタ(1)の後側に着脱されるロータベータ(2)>の上部に先端が連結され、油圧シリンダーによって高さが調節されるフレーム(20)と、前記上部フレーム(20)の底面に結合される下部フレーム(30)と、前記下部フレーム(30)の後端に一体に結合された中央馬鍬板(40)と、前記トラクタ(1)の前方に90°回動させることができるように前記中央馬鍬板(40)の両端に連結された2個の外側馬鍬板(50, 60)とから構成されたことを特徴とし、前記中央馬鍬板(40)は前記下部フレーム(30)の中央前、後側に形成された軸(21, 22)を媒介として連結し、馬鍬板(40, 50, 60)全体が左右にスイングできるようにしたことを特徴とするトラクタ用馬鍬
下の図1及び図5は前記特許に添付されたものであって、前記特許は図5に示されたように、外側馬鍬(60)を前方に90°回動させることを特徴としている。
図1

図5

特許権者は油圧を利用して外側馬鍬を前方に90°回動させるトラクタ用馬鍬を生産、販売するパク・ヨンチョルに特許侵害差止を要請する警告状を送った。警告状を受けたパク・ヨンチョルは自分の製品が前記特許を侵害しないと主張しながら、2000年3月30日特許審判院に権利範囲確認審判を請求した。
判決 : 前記権利範囲確認審判請求に対して特許審判院は2000年10月13日付けで特許侵害ではないと審決しており、前記審決に対する審決取消訴訟で特許法院は2001年8月30日付けで特許侵害ではないと判決した。上告審で大法院は特許法院の判決を支持しながら、「特許権の権利範囲は特許出願書に添付した明細書の特許請求の範囲に記載された事項によって定められ、請求の範囲の記載だけで技術的範囲が明白な場合には原則的に明細書の他の記載によって請求の範囲の記載を制限解釈することはできないが、請求の範囲に含まれるものと文言的に解釈されるものの内、一部が発明の詳細な説明の記載によって裏付られていないか、出願人がその内の一部を特許権の権利範囲から意識的に除外していると見られる場合などのように、請求の範囲を文言そのまま解釈することが明細書の他の記載に照らして見て明確に不合理である場合には、出願された技術思想の内容と明細書の他の記載及び出願人の意思と第三者に対する法的安定性をまんべんなく斟酌して特許権の権利範囲を制限解釈することが可能である。」と判示しながら、「原審がこの事件の特許発明の詳細な説明に記載された目的、実施例、効果を斟酌して第1項発明の技術内容の内で‘トラクタ(1)の前方に90°回動させることができる前記中央馬鍬板(40)の両端に連結’する手段を‘位置エネルギーを利用して折畳むか広げることが可能なように中央馬鍬板と外側馬鍬板とを連結’する構成に制限して解釈する事は正当である」と判決した。一方、特許法院は「特許明細書に記載した従来技術によれば、従来の馬鍬は両翼を折畳む方式が手動式と自動式とがあるが、自動式は水中で作動する油圧装置に田の土等の異物質が入ってトラクタ本体の油圧系統に致命的な故障をもたらすようになるため、このような問題点を解消して作業能率が高いトラクタ用馬鍬を提供することを目的としている点に照らして見ると、第1項の発明がたとえ外側馬鍬板を前方に90°回動する手段を具体的に限定していないとしても、少なくとも(イ)号発明のように油圧シリンダーを利用する構成は第1項の特許請求の範囲から除外されたものであると解釈することが妥当である」と判決した。
コメント : 本事件は特許請求の範囲の文理的解釈によっては権利範囲に属する場合にも、特別な場合には権利範囲に属しないものと請求の範囲を縮小解釈することができると判決したという点で注目される。大法院は権利範囲を縮小することができる場合として、(a)請求の範囲に含まれるものと文言的に解釈されるものの内、一部が発明の詳細な説明の記載によって裏付られていないか、(b)出願人がその内の一部を特許権の権利範囲から意識的に除外していると思われる場合であると例示した。
本事件は、明細書の従来技術部分の記載に基づいて前記(b)の場合であると判断したようであるが、明細書の記載を拡大解釈して出願人の意思と見なすことが適正なことであるかは疑問である。さらに、前記(a)はどんな場合を想定するのかが非常に不明瞭である。何れにせよ、出願人は明細書に記載する従来技術が特許後の権利範囲を狭くする可能性があるという点を肝に銘じて、従来技術の記載に愼重を期さなければならないであろう。
特許法院の判決文に照らして見れば、この件の特許に対して特許無効審判が請求されたならば法院は請求項1に対して無効であると判決したであろう。本判決は権利範囲確認審判または侵害訴訟において特許の無効を判決することができない韓国法院の限界を勘案してなされたものであると考えることもできるが、この件の判決が今後他の事件にどのように引用されるか注意深く見守る必要があるであろう。
事実関係 : ソウルで衣類売り場を運営する朴某氏は、2001年8月から同年11月まで日本の有名な衣類商標であるX-GIRL商標を偽造してTシャツ3,000点及びジャンパー5,800点余りに偽造商標を付けて販売した。この偽造品は行商人を通じて日本に輸出されて日本で販売された。偽造品が日本内で流通しているという事実を知ったX-GIRLの商標権者であるG社は朴氏を捜し出して韓国検察庁に商標権侵害罪で告訴し、朴氏は侵害事実が認められ刑事処罰を受けた。商標権者であるG社は朴氏を相手取って偽造品によって損害を被ったと主張しながら、4億7千万ウォン(4千7百万円相当)の損害賠償請求訴訟を申し立てた。
判決 : ソウル高等法院民事4部は「韓国商標法第67条は商標権侵害により‘営業上損害’が発生した場合に損害額を計算する条項であるが、原告は韓国で商標権の登録のみをしただけで、商品の生産または販売などはしなかったため‘営業’をしたと見ることができず損害を認めることができない」と判決した。裁判部はさらに「外国人も自国民と同等に知的財産権保護を受けるようにしたパリ協約第2条及び第3条は大韓民国商標法の範囲を国外にまで拡大するという意味ではなく、商標法は属地主義原則によって登録された国内でのみ効力を持つ」と判示した。
コメント : 前記判例は知的財産権の属地主義原則を確認し、知的財産権が第三者によって侵害された場合に損害賠償範囲は権利者に発生した実害を意味するという一般的な法理を確認したものである。但し、本事件の場合、侵害行為によって日本で権利者に損害の発生したことが明白であり、よって原告が日本で損害賠償訴訟を申し立てたならば明らかに勝訴したであろう。前記判例に対して一部では、商品及びサービスの交易が国際化される現実を勘案して本事件のような場合には国際司法を通じて簡便な民事的な解決方案を講じなければならないという主張があり注目される。
特許庁の審査結果に従わずに特許審判院に審判を請求する事例が去年に比べて大きく増えている。特許審判院は2003年上半期に請求された審判件数は4535件で去年の同期間の4118件に比べて10.1%(417件)増加したものと集計された。これは去る2000年以後年間特許出願増加率が2%内外にとどまったことを勘案する時、大きい幅の増加率を示したものである。
内容別では特許1881件、実用新案392件、意匠305件、商標1957件で、去年に比べて特許は18.8%、意匠は13.8%、商標は7.6%増加し、実用新案は12.6%減少した。このように審判請求件数が大きく増加したことは、出願人の産業財産権に対する権利意識が大きく強化された上、技術競争も日増しに激しくなっているためと解釈される。
さらに、特許庁審査官1人当りの審査量が過重し、正確な審査がなされていないという指摘もある。2002年を基準として国内特許審査官1人当りの年間審査出願件数は342件で日本の197件、アメリカの76件、ヨーロッパの61件に比べて非常に多い状態である。特許庁関係者は「増加する出願件数に比べて審査官の数が相対的に少なくて正確な審査に困難が多い」とし「円滑でレベルの高い審査のために去年から審査官をこつこつと増やしており、先行技術調査に対するアウトソーシングも増やして業務負担を減らしている」と話した。
このニュースレターはクライアントに韓国の最近の知的財産に関する情報を提供するためのものです。当法人では記事の正確性のために最大に努力しておりますが、このニュースレターに記載された内容が特定事件に対する法的コメントとして理解されてはいけません。
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