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2006年 10月号


- 1. 韓国特許文献、WIPOのサイトを通じて全世界へサービス実施
- 2. 韓・日特許庁長が合議した出願を優先審査対象として規定
- 3. 知的財産権4法一部改正案の立法予告
- 4. コンピュータプログラムの特許許与範囲拡大への要求が高まる
- 5. 消滅特許情報のオン・オフライン提供
- 6. 第1四半期IT企業特許登録、全体の30%
- 7. 高性能機械部品にナノ技術応用の加速化
- 8. 判例(大法院 2006.5.11. 宣告 2004フ1120判決)
 

1. 韓国特許文献、WIPOのサイトを通じて全世界へサービス実施


  特許庁は、世界知識財産権機構(WIPO)の要請に従って、WIPOの国際特許検索サービスである“Patent Scope”サイト(http://www.wipo.int/pctdb/en/)を通じて、今年9月から韓国特許文献とその審査処理結果を全世界へサービスすることを明らかにした。
  “Patent Scope”は国際特許文献を検索・閲覧することのできるWIPOの特許検索サービスであって、これから同サービスで韓国特許が検索される場合、韓国特許庁の知財権検索サービスであるKIPRISサービスに自動連結され、韓国特許抄録(英文)及びその審査処理結果(英文)など韓国特許情報がWIPOのホームページを通じて全世界へ提供されることになる。
  特許庁によると、今回の協力は、去る3月大田で開催された KIPO・WIPO情報化協力会議の際、WIPOの要請に従って推進されるようになり、その間、相互技術的協議及び示範サービスを経て、9月に正式サービスするこ
  今回WIPOが韓国特許庁に韓国特許文献の国際的サービスを要請したことは、最近、韓国特許の国際的な重要性が大きくなったことを改めて認めたものと受け止め
  韓国は、去年国際特許出願順位が世界6位であって、2000年13位の水準から6年間で7段階も上昇し、国内特許の件数だけからすると、世界3位の水準になっており、去年には韓国特許文献が国際特許審査のための必須文献として指定されるなど、韓国特許文献の国際的な重要性は
  今回のサービス開設によって、全世界の研究者がこれから韓国特許文献をWIPOのホームページを通じても接することができるようになって、韓国特許文献の国際的な検索チャンネルが多様化されることになり、これによって韓国特許文献の国際的な活用度が高くな・


 

2. 韓・日特許庁長が合議した出願を優先審査対象として規定


  特許庁は9月29日、「特許庁長が日本の特許庁長と優先審査することに合議した特許出願」を優先審査対象に追加することを骨子にした'優先審査の申請に関する告示'の一部改正を発表
   韓・日特許庁長の合議による優先審査対象と認められるためには、「1. その特許出願と関連した外国特許庁又は政府間機構から入手した先行技術調査結果報告書、 2.前記先行技術調査結果報告書に記載された先行技術文献の写し(先行技術文献を容易に入手することができる場合は除く。)、3. 特許出願された発明と前記先行技術文献の写しに記載された発明との具体的な対比説明書(対比説明書には本願の特許請求範囲に記載された発明と先行技術文献に記載された発明とを対比検討して、両者の違いや本願発明の技術的に有利な効果を具体的かつ簡潔に記載すべきであり、文献中の特定部分を引用する場合には、引用された部分を明示すべきである。)」に該当する・
  改正告示は2006年10月1日以後に提出される優先審査申請から適用される。


 

3. 知的財産権4法一部改正案の立法予告


  知識財産権制度が特許権利者の立場をより強化させる方向に改善される。
  特許庁は2007年7月1日施行をめどに、特許請求の範囲提出の猶予制度の導入、発明の詳細な説明の記載要件の緩和、特許請求の範囲の作成方法の多様化等の内容を骨子とする特許法・実用新案法の一部改正案をはじめデザイン保護法及び商標法の一部改正案を、去る6月立法予告した。
  今回の特許法の一部改正案によれば、特許請求の範囲を審査請求時までに(出願日から最長5年)提出することができるようにした。
  なお、特許登録後、特許無効審判において、相手方は新しい無効証拠をいつでも提出することができるのに対し、特許権者はこのような主張に対応できる機会が充分でないため、不当に特許権が無効になる場合が多かったが、今回の改正案では、特許権者も新しい無効証拠に対応した訂正の機会を自由に有するようになって、特許権の適切な防御が可能になった。
  その他、今回の特許法の改正案は、請求項別の審査制度導入、発明の詳細な説明の記載要件の緩和等も盛り込んでいる。
  今回の商標法改正案は、商標法で保護される権利保護対象を、動作商標、ホログラム商標、色彩だけで構成された商標へと拡大し、出願変更制度の範囲を拡大して、商標、サービス標、団体標章の相互間で可能になるようにし、また、指定商品の追加登録出願及び商標権の存続期間更新登録出願の商標登録出願への変更出願を認めるようにした。
  一方、去る3月3日付で公布された改正特許法によって、今年10月1日からは特許出願と実用新案出願との間の二重出願制度が廃止されて、特許出願と実用新案出願との間の変更出願制度が施行され、また、実用新案登録出願の無審査登録制度が廃止されて、特許法同様の審査登録制度に切替えられる。


 

4. コンピュータプログラムの特許許与範囲拡大への要求が高まる


  IT分野技術及びコンピュータプログラムの流通形態の急速な変化によって、プログラム開発者を効果的に保護できる新たな制度的装置が設けられるべきであるという声が高まっている。特に、インターネットの普及が急速に増加するにつれて、従来の記録媒体(フロッピーディスク、CD ROMなど)により流通されていた取引方式をネットワークが代わることにより新たに持ち上がった問題点を解決するための制度的な装置が速やかに設けられなければならないということである。
  去る7月19日に特許庁が主催し、ソフトウェア関連専門家100人余りが出席した中で開かれた「コンピュータプログラム関連特許制度の改善説明会」において実施されたアンケートによると、少なくとも10人の中で8人(ソフトウエア業界61.1%、弁理業界93.3%、その他関連団体73.3%など全体82%)がコンピュータプログラム請求項が特許として許可されなければならないと答えたものと示された。さらに、賛成する人の中で85%は、2~3年内に急いで新たな制度装置が設けられなければならないと答えた。
  また、昨年特許庁が行った「IT分野発明の保護対象の拡大及び波及効果に関する研究」という題目の学術用役研究事業においても、コンピュータプログラムに対する保護制度の改善が必要であるという答えが76%(計317人の応答者の中で76.1%)以上になるなど、関連業界の関心は日増しに高まりつつある。
  一方、国内の一部零細企業では、韓国ソフトウエア産業の競争力弱化などを挙げて、コンピュータプログラム請求項を特許として保護することに反対する声もないわけではない。しかし、今回の「コンピュータプログラム関連特許制度の改善」の趣旨は、従来「プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体」または「方法」の形態だけで保護されていた発明を、流通方式の変化に合わせてネットワーク上に転送される発明も保護しようとするものであり、コンピュータプログラム言語、規約などのコンピュータプログラムに具現された表現も保護しようとする趣旨ではない。
  特に、米国・ヨーロッパ・日本のいわゆる特許3国は、一定な発明の要件を備えたコンピュータプログラム請求項について特許として認めており、その対象もだんだん拡大する傾向にあるばかりでなく、2004年の韓日FTA知財権分野交渉において、日本は韓国に対しコンピュータプログラム請求項を認めることを要求するなど、国際的な保護圧力も強まっている状況で、国内産業の保護という消極的な立場のみに拘っている場合ではなく、むしろ国際的な競争力の強化のために、より積極的に対処すべきであるという主張も提起されている。


 

5. 消滅特許情報のオン・オフライン提供


  特許庁は、公共の財産である消滅特許が再活用されて付加価値を創出できるように電気電子及び情報通信分野の消滅特許情報7630件を新聞とインターネットを介して公開すると、去る8月16日明らかにした。
  今まで企業や個人が消滅特許情報を確認するためには、特許庁のホームページにアクセスして登録原簿を取り寄せるか、直接特許庁を訪問して確認すべきであった上、特許の正確な名称や登録番号を知らなければならないなど、関心技術分野の消滅特許の検索が難しかった。
  しかし、今回実施されるオン・オフライン媒体を活用した消滅特許情報提供サービスを通じて、より便利かつ分かり易く消滅特許情報を入手できるものと見通される。
  特許庁では「消滅特許は国の財産であり、産業の再跳躍のための『土の中の真珠』であって、顧客が容易に入手できるように各種媒体や特許庁のホームページなどを介して年2回にかけて公開して、知識財産の再活用を促進していきたい」と述べた。
  統計によれば、今年上半期の登録特許は計7万561件であり、消滅特許は計2万8564件であって、登録特許の40%に達するものと示された。この中で6%程度が期間満了によるものであり、残りの94%が登録料未納などで権利が消滅されており、その主な理由は市場環境の変化、新たな技術の導入及び事業の縮小などと推定される。
  消滅特許は期間の満了、特許権の放棄、相続人の不在などの理由で、特許法第94条によって特許権者の独占排他的な権利を失われた特許権をいう。
  登録された特許は審査段階で技術的な創意性と産業上の利用可能性を立証された技術であるだけに、権利が消滅されたとしても企業の活用可否によっては事業化に繋がれる高付加価値の核心技術になることができる。
  最近では、世界的に原油高が続き、原油需給の不安定に対する懸念が増加することにより、新再生エネルギーである太陽電池に対する商品化技術開発の動きが可視化されている。
  このとき、この分野で消滅された基本技術と商品化技術に関する特許情報が適材適所に提供されれば、関連技術の開発を加速化することは勿論、国内産業の国際競争力の向上にも貢献できるはずである。


 

6. 第1四半期IT企業特許登録、全体の30%


  情報通信部によると、2006年8月10日、国内IT企業が去る第1四半期の間7,926件の特許を登録して、全体特許26,227件の30.2%を占めたと発表した。昨年の場合、国内特許出願73,509件のうち、IT企業が21,189件を獲得して全体登録件数の28.8%を占め、この中でIT中小・ベンチャー企業は3,288件であって、全体IT企業の15.5%を記録した。
  昨年、IT企業特許出願を業種別にみると、情報通信機器製造業が19,914件で94%、情報通信サービス業種が720件(3.4%)、ソフトウェア分野が555件(2.6%)をそれぞれ占めた。昨年、特許を最も多く登録したIT企業は三星電子であって6,835件を登録し、2位はLG電子が4,614件、三星SDIが992件、DONGBU ANAM半導体が803件、三星電機が399件の順であった。
  政府出捐研究機関別では、電子通信研究院(ETRI)が昨年1,013件で1位を占め、次に(財)浦港産業科学研究院が382件、韓国科学技術研究院(KIST)が301件、韓国科学技術院(KAIST)が218件、韓国化学研究院が209件の順であった。


 

7. 高性能機械部品にナノ技術応用の加速化


  特許庁は、高性能機械部品用のナノ金属粉末の特許出願が1990年度以後爆発的な増加傾向を示しており、特にナノ金属粉末の高密度成形に関する特許出願がナノ金属粉末出願の約37%を占める高い割合を見せていると語った。
  ナノ技術とは、物質がナノメートル(10億分の1メートル)の大きさに小くなることによって生ずる新しい性質と現象を利用して素材、素子、またはシステムを創出する科学技術のことを言う。この中でナノ金属粉末の高密度成形技術は、ナノサイズの微細構造を有する粉末を製造して、尖端産業技術分野に応用するように成形(バルク化)する技術であって、世界中で活発な研究が進行されている。
  ナノ金属粉末の場合、強い反応性のため、ナノセラミック粉末に比べて相対的にその研究に困難性があった上、ナノ金属粉末を高密度に成形して部品化する技術も難しい技術として分類されてきたが、これは、ナノサイズの微細構造を維持しながら高密度化(完全緻密化)することが容易でないためであった。
  代表的なナノ構造の実用化部品としては、ナノタングステンカーバイド/コバルト(WC/Co)超硬合金からなる高速度工具用マイクロドリル/エンドミルなどが知られており、国内工具市場の約65%(年間6千億ウォン)を占める超硬高速度工具分野にナノ金属粉末を適用することで、一般金属粉末を用いた場合に比べて約150%の硬度及び耐磨耗性の増加と約3倍以上の工具寿命の向上効果が奏された。
  一方、特許庁によれば、ナノ金属粉末及び高密度成形技術に関する特許出願の件数は、1980年代に5年平均2件に過ぎなかったものが、1990年代に入って5年平均増加率が900%以上へと急激に増加し始め、このような増加傾向は2000年代に入っても持続して2001年から2006年8月末までの出願件数が1829件であって、爆発的な増加を示しており、特にナノ金属粉末の成形技術関連の特許出願が急激に増加することによって、ナノ金属粉末素材を用いた多様な成形製品が機械類部品の市場に出回っており、これをみると、高性能機械類部品素材の生産において本格的なナノ素材の応用が加速化するはずと語った。


 

8. 判例(大法院 2006.5.11. 宣告 2004フ1120判決)


  [判決の要旨]
  特許出願書に添付された明細書に記載された'発明の詳細な説明'に記載していない事項を特許請求の範囲に記載して特許を受けることになれば、公開していない発明に対して特許権が付与される不当な結果になるので、旧特許法(2001.2.3.法律第6411号に改正される前のもの、以下同一)第42条第4項第1号はこのような不当な結果を防止するための規定と言える。従って、特許請求の範囲が発明の詳細な説明によって裏付けられるか否は、その発明が属する技術分野における通常の知識を有する者の立場で、特許請求の範囲に記載された発明と対応される事項が発明の詳細な説明に記載されているか否かによって判断すべきであるところ、出願時の技術常識に照らして見ても、発明の詳細な説明に開示された内容を特許請求の範囲に記載された発明の範囲まで拡張乃至一般化することができない場合には、その特許請求の範囲は、発明の詳細な説明によって裏付けられるものと認められない。

  [事案の概要]
  請求項1において、'コラゲナーゼ-3選択的抑制剤'を請求した出願に対し、発明の詳細な説明には、そのような抑制剤に関する16種の化合物が開示されているが、2種の化合物に対してのみその薬理効果が記載されているだけで、残りの14種の化合物については、その化学構造及び薬理効果に関する記載がなかった。
  それにつき、法院は、「残りの14種の化合物の化学的構造がいずれも、前記2種の化合物と同一性の範疇に属し、それと同等の効果を有するものと予測できる特別な事情も見当たらず、その他の化学物質の場合には、化学的な構造さえ特定できないため、前記2種の化合物と同一性の範疇に属するか否かさえ全く確認することができないので、前記2種の化合物を除いた残りの全ての化学物質が、前記2種の化合物と同一程度の臨床的な相関関係を示すものと予測できず、出願当時の技術水準からみて、同一の臨床的な相関関係を示すものと予測されると認めるべき資料もない。」と述べ、さらに、「‘コラゲナーゼ-3選択的抑制剤'は、その明細書において、用語の定義と基準及び確認方法が記載されているが、これはどのような化合物が結果的に'コラゲナーゼ-3選択的抑制剤'に属するかの基準及び確認方法のみを提示しているだけであり、このような記載のみでは、事前にそのような化合物にどのようなものが含まれ、それに属する全ての化合物がそのような効果を有するかに関して、発明の詳細な説明によって裏付けられると認められない。」と述べることで、実施例により推論が不可能な権利範囲まで請求した請求項1は、発明の詳細な説明によって裏付けられないものと判示した。

  [コメント]
  最近、発明の貢献度に比べてあまりにも広い権利範囲を持つ請求項に対し、発明の詳細な説明によって裏付けられないという理由で特許登録が拒絶される事例が増えているものと見られる。
  従って、発明の詳細な説明で提示している実施例よりも広い権利範囲の請求項を作成する場合には、その請求項に含まれる他の実施例も、なるべく発明の詳細な説明に具体的に説明した方が望ましいと思われる。

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