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2007年 4月号


- (新聞記事) 韓国最大の地方自治体である京畿道は韓洋特許法人を知的財産権諮問機関に選定して協約を締結した。
- 請求項における機能的表現の許容範囲及び機能的表現からなる請求項の権利範囲の解釈(特許法院の判例及び改正特許法の内容を含む。)
- 韓国における特許審判、6ヶ月以内に終結
- 最近の特許侵害訴訟事件の事例
- 有機発光ダイオード(OLED)の特許登録が急増
- 地理的表示団体標章の登録第1号「長興シイタケ」
- スターバックス、無效審判訴訟で敗訴
 

(新聞記事) 韓国最大の地方自治体である京畿道は韓洋特許法人を知的財産権諮問機関に選定して協約を締結した。


京畿道は外国資本の投資環境を改善するために「外国人投資企業の経営業務支援のための専門諮問システム」を構築して、特許、法務、会計、人材分野において18の各分野別の専門法人と業務協約を締結しました。これは、その間外国人投資企業が韓国の法規及び経営環境に慣れなくて発生する難点を解決することで、外国人の直接投資を活性化させて職場創出及び新技術移転を促進させるためのものです。韓洋特許法人は京畿道諮問家グループの中で特許部分に対して諮問と協力を行うことにし、2007年3月9日金延洙・韓洋特許法人の代表弁理士と金文洙・京畿道知事との間で協約を締結しました。これによって、韓国の京畿道に投資する外国会社は韓洋特許法人から一定時間の間無料諮問を受けることができるようになりました。より詳細な情報は京畿道のホームページhttp://japanese.gg.go.krと韓洋特許法人のホームページhttp://www.hanyanglaw.comからご覧になることができます。


 

請求項における機能的表現の許容範囲及び機能的表現からなる請求項の権利範囲の解釈(特許法院の判例及び改正特許法の内容を含む。)


[特許法院 2006.11.23. 宣告 2005ホ7354判決の要旨]
特許請求範囲の請求項の機能的表現は、そのような記載によっても発明の構成が全体として明瞭と認められる場合にだけ許容される。ここで、機能的表現によっても発明の構成が全体として明瞭と認められる場合とは, 第一、従来の技術的な構成だけでは発明の技術的思想を明確に表しにくい事情があって請求項を機能的に表現するのが必要な場合、第二、発明の詳細な説明と図面の記載によって機能的表現の意味内容を明確に確定することができる場合を意味する。また、機能的表現からなる請求項の権利範囲は、請求項に記載した機能を行うすべての構成を含むのではなく、請求項の記載と発明の詳細な説明及び図面によって明確に確定することができる構成のみを含むものに限定して解釈しなければならない。
[コメント]請求項に記載した機能的表現の適法性を担保するためには、その機能を実現する具体的な構成を明細書の発明の詳細な説明に明確に記載しておかなければならない。
ところで、特許登録の有効・無効(進歩性の可否)を争う事案において、機能的表現からなる請求項の権利範囲を実施例によって限定解釈しなければならないという上記判例の解釈論は、請求項の記載自体が不明確でない以上、その記載どおり請求項の内容を確定して新規性・進歩性の可否を判断していた従来の最高裁のの判例及び特許実務と相反し得るという点から、今後議論の余地があると考えられる。

[参照] 請求項の記載方式に関する特許法の改正(2007年7月1日施行)
「(請求項には)発明の構成に欠かせない事項を記載しなければならない」と規定した従来の特許法の規定を、「(請求項には)保護を受けようとする事項が明確になるように、発明を特定するのに必要と認められる構造・方法・機能・物質またはこれらの結合関係などを記載しなければならない」という規定に取り替えることで、機能的クレームが原則的に許容されるなど、請求項の記載方式を多様化することができるようになった。
但し、発明が明確かつ簡潔に表現されるように請求項を記載しなければならないという要件は依然として適用されるので、機能的クレームが原則的に許容されると言っても、その記載によって発明が不明確になる場合には依然として記載不備を指摘され、たとえそのように不明確な状態で登録されたとしても、その権利範囲が縮小解釈され得るという点には変わりがないと思われる。


 

韓国における特許審判、6ヶ月以内に終結


韓国特許庁は、最近になって急増している特許審判をできるだけ短期間に処理するために、審判官を大幅に増員し、審判プロセスも画期的に改善して、2003年14ヶ月かかっていた特許審判の処理期間を2007年末には6ヶ月以内に大幅に短縮する計画だ。

特許庁は、2006年30人の審判官を増員したのに続き、2007年にも24人の審判官を増員して合計103人の審判官を確保する計画であり、集中審理制を当事者系事件の全体に拡大適用し、答弁書提出期限の延長を制限して審理が遅延することを防止し、審理終結予定時期を口頭でも通知可能にするなど、審判プロセスを画期的に改善する予定にある。

集中審理制は、審判事件の迅速な処理のために両方の当事者から主張と証拠資料をいっぺんに提出され、争点及び証拠を早期に整理して速かに決定を下す制度であって、2006年1月から一部事件に適用して施行しているが、集中審理制を適用される事件は1回の書面攻防の後、口述審理を行って争点を早期に整理することができ、口述審理の際、両当事者の主張を充分集約して審判の正確性を向上できるものと期待される。


 

最近の特許侵害訴訟事件の事例


 

(1) 東燃化学株式会社 vs. SK㈱ 

日本エクソンモービルの子会社である東燃化学株式会社(Tonen Chemical Corporation)は、2006年3月に韓国のSK㈱を相手取ってリチウムイオン電池分離膜(LiBS)に関する韓国特許及び営業秘密を侵害したという理由でソウル中央地裁に訴訟を提起した。ソウル中央地裁は2007年1月11日にSK㈱が東燃の特許及び営業秘密を侵害しなかったとして訴を棄却した。

SK㈱は2004年12月に世界で三番目、韓国で初めて分離膜の開発に成功して量産体制を備え、2005年12月から本格的なLiBSの生産に入った。上記のような訴訟結果によってSK㈱はLiBSの生産量を増加させることと予想され、これを受け、今まで輸入に依存していて相当量のLiBSが国産のものに代替されるものと予想される。

SK㈱は、東燃の訴訟が、訴訟の提起により時間を引き延ばす方法で後発企業等の市場占有速度を遅らせて、結局、市場進入を阻むための目的で提起された不公正行為であると判断し、2006年12月公正取引委員会に提訴した。

(2) ファイザー(株) vs. 安国薬品㈱

韓国の安国薬品(株)は2006年7月11日、ファイザー(株)のノルバスク(アムロジピンのベシル酸塩)に関する特許(KR91020)に対して消極的な権利範囲確認審判を請求し、韓国特許審判院は2007年2月28日に上記審判請求を棄却した。特許審判院は、安国薬品(株)のレボテンション錠(ベシル酸-Sアムロジピン)がファイザーの特許権を侵害すると認めたのだ。

これによってソウル南部地裁は去年ファイザー(株)が安国薬品(株)に対して提起した仮処分申請を受け入れ、ファイザーが50億ウォンの供託金をかける条件で安国薬品(株)のレボテンション錠の生産、使用、譲渡、貸与、輸入など一連の行為を禁止した。これを受け、安国薬品㈱は製品販売を中断し、3月13日にソウル南部地裁に仮処分決定に対する效力停止と異議申立を同時に提起した。

これに先たち、安国薬品㈱は2004年8月6日にファイザーのノルバスク(アムロジピンのベシル酸塩)に関する特許(KR91020)に対して無效審判を請求し、特許審判院は2006年7月25日に審判請求を棄却したことがある。審判請求人は特許審判院の審決に不服して2006年8月23日に特許法院に抗訴した。


 

有機発光ダイオード(OLED)の特許登録が急増


次世代ディスプレイとして注目されている有機発光ダイオード (OLED) の韓国における特許件数が最近大きく増加したことが明らかになった。

韓国特許庁によれば、 2000 年から 2006 年の間 OLED 関連技術特許は製造工程及び装備、駆動回路、発光物質の 3 つの分野別に年平均それぞれ 108.7% 、 232.0% 、 79.0% の増加率を示した。特に、 2005 年と 2006 年に企業は前年対比 2.3 倍、 4.7 倍に達する 279 件と 1 千 318 件の特許を登録した。

日本企業の韓国特許登録における占有率も注目に値する水準であることが分かった。韓国特許庁は、製造工程及び装備関連特許のうち19.0%、駆動回路関連25.1%、発光物質関連17.1%が日本企業が登録したものであると発表した。最も積極的な企業はセイコーエプソン社で、去年まで94件の特許を登録した。また、日本の半導体エネルギー研究所(Semiconductor Energy Laboratory) もこの分野において多くの特許を出願している。

OLEDは輝度、色純度、広視野角特性に優れており、特に反応速度が数μs(microsecond)に過ぎなくてLCDに比べて動画画質が優秀だ。現在量産されている2.4インチAM-OLEDは同一仕様のLCDより3~4倍の高い値段で販売される予定だが、LCDより画質がすぐれて携帯電話、MP3、DMBなど携帯装置の高級仕様に採用されると見られる。


 

地理的表示団体標章の登録第1号「長興シイタケ」


2005年7月1日地理的表示団体標章制度が初めて導入されて以来、「長興シイタケ」が国内における地理的表示団体標章第1号として登録された。

トーハ開発アジェンダ(DDA)、自由貿易協定(FTA)など国際的な地理的表示強化の動きに前向きに対処し、国内の地理的表示が外国でも保護を受けられる基盤を作るために、韓国特許庁は、特定商品が地理的表示に該当する場合にはその商品を生産、製造または加工することを業とする者だけで構成された「法人名義」で「地理的表示団体標章」として出願をすれば登録を受けることができるように、2005年度に商標法を改正した。

今回地理的表示団体標章権を設定した営農組合法人「正南津長興シイタケ連合会」は指定商品である「シイタケ」に限って第三者(他の地域の生産者)が「長興シイタケ」という地域特産品を偽造、模倣した商標を使う場合には差止請求、損害賠償、刑事告訴など商標法における強力な権利を直接行使できるようになった。以前までは第三者が地理的表示を商標として使うことを禁止することができる法的根拠がなかった。

したがって、今は地域特産品を知識財産権に権利化することができるようになったことで、各地域で「地理的表示団体標章」の出願が大きく増加するものと予想される。


 

スターバックス、無效審判訴訟で敗訴


国内コーヒー専門店の始めだと言える多国籍コーヒー専門店であるスターバックスが国内企業を相手取って提起した商標無効審判審決取消訴訟で敗訴した。

      スターバックス         スタープレヤ

「商標の類似判断において、両商標の “ スター ” 文字と二つの同心円の間に商号やコーヒーなどの文字、星印などを配置することはコーヒーチェーン店業界で広く使われている事実が認められるところ、これを類似判断時の比較対象とすることができない上、‘スタープレヤ (STARPREYA)' 商標が ‘ スターバックス (STARBUCKS)' と類似することもなく、ロゴもスターバックスは ‘ 人魚姫 ' 形状であるのに対し、エルプレヤは ‘ 女神 ' 形状であって、類似商品と見なすことができない」と判示し、さらに、「スターバックスとエルプレヤの商標またはサービス標は、外観・呼称などにおいて異なっていて全体的に類似しないだけでなく、その構成やモーティブなどにおいても混同を起こすほどの関連性がない。よって、抗訴審において登録無效事由が存在しないという趣旨で判断したのは正当で、スターバックスが該当商標を活用した営業活動期間及び広告方法、回数などに照らして、エルプレヤ登録商標が出願されるまでスタボックス商標が国内で著名な状態だったと言い切れることができない」と判示した。

上記事件において、ブランド保護の側面でスターバックスが国内において原登録商標と類似する形状や文字の商標登録を多数出願して登録されたとしたら、スタープレヤとの類似性をより強く主張することができたはずである。また、スターバックスで実際に使用する標章のように、登録商標を色彩商標として出願して登録されたとしたら、類似可否の判断時にスターバックスの方がより有利になったはずと判断され、スタープレヤ登録商標を消滅させるのが窮極の目的だとすれば、登録商標と実際使用する商標の使用形態などを考慮して商標取消審判も併せて請求することが望ましいものと判断される。

 


 

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