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2007年 10月号


- 『特許法・実用新案法』の改正(案)
- 『商標法』改正(案)
- 『著作権法』改正(案)
- 韓・米特許審査ハイウェイを試験的に施行
- 商標権売買代行業の登場
- 特許請求の範囲の解釈(大法院2007.6.14.宣告2007フ883判決)
- ビジネス方法の発明の成立要件(特許法院2007.6.27.宣告2006ホ8910判決)
 

『特許法・実用新案法』の改正(案)


イ. 韓・米自由貿易協定による改正
a. 新規性喪失の例外主張期間の延長
出願前6ヶ月以内に発生した公知行為に対して許容していたものを、出願前12ヶ月に延長する。
b. 審査遅延による存続期間延長請求制度の新設
審査遅延などで設定登録が基準日より遅く行われた場合は、出願人の申請によって遅延した期間だけ特許権存続期間を延長できるようにする。(基準日:出願後4年または審査請求後3年のいずれか遅い方)
c. 特許権の国内未実施による特許権の取消規定の削除
既存の特許法では、特許権を国内で実施しない場合、特許権の取り消しが可能であったが、「各当事国は特許許可の拒絶を正当化できる根拠によってのみ特許が取消しできるように規定」した合意事項によって、上記特許権の取消し規定を削除する。
d. 特許侵害訴訟における営業秘密に関する秘密保持命令の新設
訴訟手続きにおいて発生あるいは交換される秘密情報の保護に関する司法命令の違反に対し、制裁を科す権限を司法当局に付与する。

ロ. 審査前置制度の廃止及び再審査請求制度の導入

a. 現行の審査前置制度が審判請求の増加要因となっており、審判対象を複雑にする要因となっている為、審査前置制度は廃止する。
b. 代りに、拒絶決定不服審判請求前に、請求項の補正と同時に再審査請求ができるよう再審査請求制度を新設する。
c. 再審査が請求された件に対しては、既存の拒絶決定を撤回して再審査を行い、再拒絶決定あるいは、登録決定がなされるので、出願人には審判請求に先立ち新しい補正の機会が与えられ、一部の請求項のみが拒絶決定される場合、審判請求なしでも登録可能な請求項のみで登録が可能となる。

ハ. 分割出願可能時期の拡大
再審査請求制度が新設されることにより、現行法では拒絶決定不服審判請求後に明細書を補正する事が不可能であったのが、改正法(案)では、拒絶決定不服審判請求後30日以内に分割出願ができるように規定している。

ニ. 最後の拒絶理由通知後の請求の範囲補正要件の緩和
現行法の下では、最後の拒絶理由通知後の請求の範囲の補正要件が非常に厳しく、些細なエラーや手続上の間違えを修正するのが困難であった。
したがって、改正案では、実質的な変更可否を判断する要件を削除して特許請求の範囲を減縮する補正は全面的に許容するようにし、新規事項が追加された補正書を元の状態に復帰させる補正も許容されるようにする。

ホ. コンピュータプログラム自体に関する特許の認定

a. コンピュータプログラム発明に関する特許保護制度の改善が要求され、コンピュータプログラム発明が特許法上の物に含まれるように明文化される。
b. また、特許法上の実施規定の中で譲渡または貸与行為として「情報通信網を通じた転送」が含まれることになる。

ヘ. 審査官の職権訂正制度の新設

a. 不要な意見提出通知による手続きの遅延を防止し、明細書の完壁性を高めるために、明らかな形式的エラーや抜け落ちに対しては、審査官が職権で訂正できるようにする。
b. 審査官は職権訂正書を出願人に送付し、出願人にこれに対する収容可否を判断させることができる。


 

『商標法』改正(案)


イ. 音声・におい商標等非視覚的な商標の登録制度の新設
現行法では「色彩または色彩の組合せ、ホログラム、動作またはその他視覚的に認識することができるもの」に限って商標として保護しているが、改正案では「音声、におい等視覚的に認識することができないものであっても、記号、絵、文字などで表現できるもの」なら商標として保護を受けることができる。ex) バラの香り、ミントの香り等

ロ. 証明標章制度の新設

a. 商品の特性を証明する証明標章制度を新たに導入し、商品の特性を証明して合理的かつ持続的に管理監督できる能力を有する場合に限り証明標章の登録を受けることができる。
b. 商品またはサービス業の特性を証明できる者が、その許諾を得た者に証明標章を使用させるために、証明標章の登録を受けるのである。
c. 証明標章の正確性と客観性のために証明標章の出願人または登録権者はその証明標章と同一・類似する商標を同一・類似する商品に登録できないようにし、特許庁長の許可なしでは証明標章を移転することができない。

ハ. 商標使用権登録義務制度の廃止

a. 現行法では、商標使用権の中で専用使用権は登録を効力発生要件として規定し、私人間の契約が締結されても登録しなければ効力が発生しないようにしている。
b. 改正案では、登録しなくても専用使用権の効力が発生するようにし、登録を第三者対抗要件として規定する。

ニ. 法定損害賠償制度及び秘密保持命令制度の導入

a. 商標偽造による侵害行為に対して法定損害賠償制度を新設し、権利者が実損害額と法定損害額(最高5千万ウォン以内で相当の金額)を選択して請求できるようにする。
b. 法院による秘密保持命令を可能にさせ訴訟で必要な営業秘密を活用すると共に、訴訟当事者以外には引き続き秘密が保持できるようにする。

 

『著作権法』改正(案)


イ. 一時的保存を複製として認定
a. “複製”とは、印刷・写真撮影・コピー・録音・録画その他の方法によって、一時的または永久的に有形物に固定するか、有形物に再び製作することと定義する。
b. コンピュータ等を通じて正当に著作物を利用する技術的過程の一部として複製物が作られることが必須に要請される場合は、一時的複製が免責できるように例外として規定する。

ロ. 保護期間の延長
著作権及び著作隣接権(放送は除く)の保護期間を著作者の死後または公表後50年から70年に延長する。

ハ. 排他的利用権の新設
これまでは出版分野においてのみ認められていた排他的利用権制度を著作物の全分野に亘って認め、著作物を利用する事業者が契約期間中、著作権者と類似する地位を有するようになり、円滑な事業の遂行ができるようにする。

ニ. オンラインサービス提供者の免責規定等の整備

a. オンラインサービス提供者の責任制限規定を、①オンライン上で成立される著作物等を送信し、その過程でこれを一時的に保存する行為、②自動的な処理を通じて行われるキャッシング、③サービス利用者の指示によって著作物等をオンラインサービス提供者のシステムに保存するか、情報検索道具によってオンライン上の位置を連結する行為に、類型を細分化し、各要件を明確に規定する。
b. 権利者の利用者情報提供の請求時に著作権委員会の審議を経て文化観光部長官が情報提供を命ずるようにする。

ホ. 法定損害賠償制度の導入

ヘ. 情報提供及び秘密保持命令制度の導入

ト. 偽造ラベル製作行為の禁止
偽造ラベルの取り引き、ホログラム、認証書などを製作・取り引きする行為も刑事処罰対象と規定する。

チ. 映画の盗撮行為の処罰
映像著作物を上映している映画館で著作権者の許諾なしにアナログまたはデジタル録画機器を利用し映像著作物を録画する行為を刑事処罰対象と規定する。

リ. 非親告罪対象の拡大
重大な侵害の場合、権利者の告訴なしで検事が職権で侵害者を起訴できるように規定する。

 

韓・米特許審査ハイウェイを試験的に施行


韓・米特許審査ハイウェイの施行によって今後米国への特許出願がさらに便利になり、審査結果もより一層迅速に受けることができるようになる見込みである。
韓・米両国の特許庁は、韓・米両国に共通に提出された特許出願がある一方の国で肯定的な審査結果を受ければ、他方の国では該当特許出願を他のものより優先して審査する内容を骨子とする 『韓・米特許審査ハイウェイ』を2008年1月1日から試験的に施行することに合意した。
今回の韓・米特許審査ハイウェイは韓・日特許審査ハイウェイに続き二番目に施行するものであって、審査遅延の解消及び審査処理期間の短縮に大きく寄与するものと期待される。

<両国の特許出願及び登録現況>
(単位:件)            

  

年度

2001

2002

2003

2004

2005

韓国→米国

出願

6,792
7,757
9,614
13,388
16,643
登録
3,783
3,755
4,198
4,590
4,811

米国→韓国

出願
7,212
7,575
9,366
10,507
9,402
登録
3,983
3,248
2,978
4,123
6,784
※ 特許審査ハイウェイの概念
A、B国で共通に特許が申請された場合、A国で特許登録が可能であるという決定が下されれば、B国はA国の審査結果を活用し、該当特許出願を他の出願に比べて迅速に審査する制度。

 

商標権売買代行業の登場


韓国特許庁に登録のみで使用されていない不使用商標を買い入れ、代わりに販売する専門の商標売買代行社が登場し関心を集めている。

「ネームズ」という会社は、特許庁公報に収録された商標とサービスマーク85万余りものの中で、実に80%程度が不使用商標である点に着目し、2007年9月19日から不使用商標に対する販売・購買代行業を開始した。

同社は今後建築業ないし分譲業などのサービス業から薬品などの商標に至るすべての商標の売買を代行する予定で、インターネットを通じ販売者と購買者を積極的に連結することを目標に事業を推進している。

同社代表は「商標の出願・登録費を考慮すれば、おおよそ2兆ウォンに達する商標が無用のものとなっており、不使用商標を実体経済に効果的に使用されるようにするため、購買代行業をに始めるようになった」と述べた。

その間、特許庁にて技術移転サイトないしは技術競売市場を設けた例はあるが、商標売買と係わるサイトが製作されたのは異例である。


 

特許請求の範囲の解釈(大法院2007.6.14.宣告2007フ883判決)


韓国大法院は「特許発明の権利範囲を判断するにおいては、特許請求の範囲に記載された用語の意味が明瞭だとしても、その用語から技術的構成の具体的な内容が分からない場合は、その発明の詳細な説明と図面の記載を参酌してその用語が表現している技術的構成を確定し、特許発明の権利範囲を定めなければならない」と判示した。

韓国大法院は、上記法理を適用して、発明の名称が「小型ホイール発電機とそれを備えた発光ホイール及びその製造方法(Compact wheel generator, light-emitting wheel having the same, and manufacturing method therefor)」であるこの事件の特許発明(特許番号第0291213号)の特許請求の範囲第1項及び第5項に記載の緩衝器という用語は機能的な表現であって、その用語自体だけでは技術的構成の具体的な内容が分からず、その発明の詳細な説明と図面には緩衝羽を備えた構造だけが記載及び図示されているので、特許発明の緩衝器が表現している技術的構成は緩衝羽を備えた構造またはそれと類似する構造であると言え、そのような構成の緩衝器を備えていない確認対象発明が特許発明の権利範囲に属さないと判示した。


 

ビジネス方法の発明の成立要件(特許法院2007.6.27.宣告2006ホ8910判決)


特許法院は、コンピュータ関連発明でいわゆる「ビジネス方法の発明(BM発明)」の意味及びその成立要件について次のように判示した。

 

「[1] 特許を受けるためには、まず‘産業上利用可能な発明’でなければならず、ここで‘発明’とは‘自然法則を利用した技術的思想の創作であって、高度なもの’を言うので、 請求項に記載された発明が自然法則そのものや人間の精神活動、論理法則、経済法則をそのまま利用している場合には発明に該当せず、自然法則の利用可否は請求項全体として判断しなければならないので、請求項に記載された発明の一部に自然法則を利用している部分があるとしても、請求項全体として自然法則を利用していないと判断される場合は、発明に該当しない。(中略)

[2] コンピューター関連発明でいわゆる‘ビジネス方法の発明(BM発明)’とは‘情報技術を利用して構築された新しいビジネスシステムまたは方法の発明’を言い、 ここに該当するためには、コンピュータ上でソフトウェアによる情報処理がハードウェアを利用して具体的に実現していなければならない。これはソフトウェアがコンピュータによって単純に読み出されることに止まらず、ソフトウェアがコンピュータに読み出されてハードウェアと具体的な相互協同手段によって特定の目的達成のための情報の処理を具体的に行う情報処理装置またはその動作方法が構築されることを言い、もちろん発明として完成されるためには請求項の記載が単純なアイディアを提起する水準に止まってはならず、発明の目的を達成するために欠かせない全ての構成が具体的かつ明確に記載されていなければならない。したがって、BM発明が成立するためには、全体として判断された請求項が人間の精神活動などを利用しているものであるか、単にコンピュータやインターネットの汎用的な機能を利用しているものであってはならず、コンピュータシステム上でソフトウェアとハードウェアの具体的な相互協同手段によって特定の目的達成のための情報の処理を具体的に行う情報処理装置またはその動作方法が構築されることで、コンピュータやインターネットが単純に利用されること以上の新しい効果が発揮できるものでなければならない。

[3] 名称が「会社旅行計画と管理のシステム及び方法」である本件の出願発明は、ソフトウェアとハードウェアが具体的な相互協同手段によって特定の目的達成のための情報の処理を行う情報処理装置またはその動作方法にて構築され新しい効果を発揮しているというよりは、コンピュータやインターネットシステムの汎用的な機能を利用する人間の行為を中心に構成されたものであって、自然法則を利用した技術的思想に該当すると見なせないので、その特許性を認めることができない。」


 

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